滋幹は、以前は誰の住まいであったのかしらんと思い、或はこゝが亡き中納言の山荘ではなかったろうか、と云うことに心づいた。
いかさま、中納言が逝去してからは誰も住む人がなくて、朽ちるにまかせてあるのであろうか。
そうだとすれば、嘗て中納言と共に此の山荘に起き臥しゝ、中納言の死後も何処か此の近くに庵を結んでいたと云う母も、今は恐らく此の地に住んでいないのではあるまいか。
滋幹は、以前は誰の住まいであったのかしらんと思い、或はこゝが亡き中納言の山荘ではなかったろうか、と云うことに心づいた。
いかさま、中納言が逝去してからは誰も住む人がなくて、朽ちるにまかせてあるのであろうか。
そうだとすれば、嘗て中納言と共に此の山荘に起き臥しゝ、中納言の死後も何処か此の近くに庵を結んでいたと云う母も、今は恐らく此の地に住んでいないのではあるまいか。