尼がそうしている間に、滋幹も亦我知らず歩みを運んでいた。
彼が出来るだけ足音を忍ばせながら、そうっとうしろに近寄って行くと、尼は手折った山吹を持って立ち上り、又崖の方へ引き返そうとするところであった。
いかさま、こゝへ来て見ると、その崖の上の苔の間に微かなひとすじの坂路があって、そこを登り詰めたあたりに傾きかゝった小さな門が建っているのは、多分その奥が庵室になっているのであろう。
尼がそうしている間に、滋幹も亦我知らず歩みを運んでいた。
彼が出来るだけ足音を忍ばせながら、そうっとうしろに近寄って行くと、尼は手折った山吹を持って立ち上り、又崖の方へ引き返そうとするところであった。
いかさま、こゝへ来て見ると、その崖の上の苔の間に微かなひとすじの坂路があって、そこを登り詰めたあたりに傾きかゝった小さな門が建っているのは、多分その奥が庵室になっているのであろう。