―――津村はその岩の上に腰をおろして、いまだに初音の鼓のことをなぜか気にかけているのである。
自分は忠信狐ではないが、初音の鼓を慕う心は狐にも勝るくらいだ、自分は何だか、あの鼓を見ると自分の親に遇ったような思いがする、と、津村はそんなことを云い出すのであった。
ここで私は、この津村と云う青年の人となりをあらまし読者に知って置いて貰わねばならない。
―――津村はその岩の上に腰をおろして、いまだに初音の鼓のことをなぜか気にかけているのである。
自分は忠信狐ではないが、初音の鼓を慕う心は狐にも勝るくらいだ、自分は何だか、あの鼓を見ると自分の親に遇ったような思いがする、と、津村はそんなことを云い出すのであった。
ここで私は、この津村と云う青年の人となりをあらまし読者に知って置いて貰わねばならない。