そんな事情で、その後津村は二三度上京したけれども、学校を出てからゆっくり話し合う機会を得たのは、今度が始めてなのである。
そして私は、この久振で遇う友の様子が、大体想像の通りであったのを感じた。
男も女も学生生活を卒えて家庭の人になると、にわかに栄養が良くなったように色が白く、肉づきが豊かになり、体質に変化が起るものだが、津村の人柄にもどこか大阪のぼんちらしいおっとりした円みが出来、まだ抜け切れない書生言葉のうちにも上方訛りのアクセントが、―――前から多少そうであったが、前よりは一層顕著に―――交るのである。