自分はこの唄にはほのかながら子供の郷愁があるのを感じる。
大阪の町方には、河内、和泉、あの辺の田舎から年期奉公に来ている丁稚や下女が多いが、冬の夜寒に、表の戸を締めて、そう云う奉公人共が家族の者たちと火鉢のぐるりに団居しながらこの唄をうたって遊ぶ情景は、船場や島の内あたりに店を持つ町家にしばしば見受けられる。
思うに草深い故郷を離れて、商法や行儀を見習いに来ている子弟等は、「親の在所が恋いしゅうて」と何気なく口ずさむうちにも、茅葺きの家の薄暗い納戸にふせる父母の俤を偲びつつあったであろう。
自分はこの唄にはほのかながら子供の郷愁があるのを感じる。
大阪の町方には、河内、和泉、あの辺の田舎から年期奉公に来ている丁稚や下女が多いが、冬の夜寒に、表の戸を締めて、そう云う奉公人共が家族の者たちと火鉢のぐるりに団居しながらこの唄をうたって遊ぶ情景は、船場や島の内あたりに店を持つ町家にしばしば見受けられる。
思うに草深い故郷を離れて、商法や行儀を見習いに来ている子弟等は、「親の在所が恋いしゅうて」と何気なく口ずさむうちにも、茅葺きの家の薄暗い納戸にふせる父母の俤を偲びつつあったであろう。