行ってみると、楠の大木の森の中に葛の葉稲荷の祠が建っていて、葛の葉姫の姿見の井戸と云うものがあった。
自分は絵馬堂に掲げてある子別れの場の押絵の絵馬や、雀右衛門か誰かの似顔絵の額を眺めたりして、わずかに慰められて森を出たが、その帰り路に、ところどころの百姓家の障子の蔭から、今もとんからり、とんからりと機を織る音が洩れて来るのを、この上もなくなつかしく聞いた。
多分あの沿道は河内木棉の産地だったので、機屋がたくさんあったのであろう。
行ってみると、楠の大木の森の中に葛の葉稲荷の祠が建っていて、葛の葉姫の姿見の井戸と云うものがあった。
自分は絵馬堂に掲げてある子別れの場の押絵の絵馬や、雀右衛門か誰かの似顔絵の額を眺めたりして、わずかに慰められて森を出たが、その帰り路に、ところどころの百姓家の障子の蔭から、今もとんからり、とんからりと機を織る音が洩れて来るのを、この上もなくなつかしく聞いた。
多分あの沿道は河内木棉の産地だったので、機屋がたくさんあったのであろう。