いけどりと云えば、あさい石見守、赤尾みまさかのかみ、おなじく新兵衛、この三人のかた/″\は武運つたなく縄目のはじをおうけになって御前へひきすえられました。
そのときのぶなが公が、「そのほう共、しゅじん長政にぎゃくしんをおこさせ、としごろひごろようも己をくるしめたな」とおっしゃりましたので、石見どのは強情な仁でござりますから、「わたくし主人あさいながまさは織田どのゝような表裏ある大将ではござりませぬ」と申しあげますと、のぶなが公かっと御りっぷくあそばされ、「おのれ、ふかくにも生けどりになるほどの侍として、ものゝひょうりが分るか」と、鑓のいしづきで石見どのゝあたまを三度おつきになりました。
なれどもひるむけしきもなく、「手足をしばられているものをちょうちゃくなされてお腹がいえますか、おん大将のこゝろがけはちがったものでござりますな」とにくまれぐちをたゝかれましたので、ついにお手うちになりました。