もっともひでよし公の御名代として御養子羽柴秀勝公ぎふのおしろへおこしなされ、御祝儀を申しのべられまして、このたび父ひでよしこと、さしさわりのため参賀いたしかねますについては、追って柴田どの御帰国のさい路次においておまち申しあげ、おんよろこびのしるしまでに一こんさしあげたくと、そういう御口上でござりましたので、かついえ公もこゝろよく御承引なされ、ひでよし公の御饗応をおうけあそばすおやくじょうになっておりました。
しかるところ急にえちぜんよりお迎えのかた/″\がにんずを引きつれて駈けつけて来られまして、何かもの/\しい御そうだんがござりましたが、秀勝公へは使者をもっておことわりにおよばれ、夜中にわかに北国おもてへ御ほっそくなされました。
さればひでよし公の御けいりゃくがござりましたかどうか、わたくしのぞんじておりますところは右のとおりでざります。