なか/\に
と、うたわれるのでござりましたが、これは三味線もまえとはすっかりちがっておりながら、やはりあの手だけがあいま/\へ挟んであるのでござります。
あゝ、さては朝露軒どのは敵方のまわしものか、でなくばちかごろ急に内通なされたのか、いずれにしてもひでよし公のおおせをふくんでおくがたをてきにわたそうとしておられるのだな、おもわぬときにおもわぬたすけがあらわれたものだが、ひでよし公がまだおあきらめにならなんだとは、なんたるつよい恋だったのかと、にわかにむねをとゞろかしておりますと、「さあ、弥市、いま一曲その方に所望だ」と申されて、ふたゝびしゃみせんをわたくしの前へ置かれました。