「しかしちくぜんのかみどのはせっかくいくさにお勝ちになっても、めざすおくがたに死なれてしまってはなんにもなるまい。
朝露軒どのもあんなしくじりをやったのだから御前のしゅびがよいはずはない。
どうせ生きてはいられなかったよ」と、そのおかたはそう申されて、「それでもお前がこのおひいさまをおつれ申しているうえはいくらかめんぼくが立つわけだから、おれはおまえにくっついてゆくつもりだ」と、そんなことを云い/\手をひかんばかりになされますので、もうさっきからだいぶんつかれてはおりましたけれども、あえぎ/\いっしょけんめいにはしっておりますと、よいあんばいに敵がたの足軽大将がお乗りものをもっておむかえにまいられまして、とりあえずそれへひめぎみをうつされ、