いったいひでよし公はどういう前世のいんねんでござりましたか、のぶなが公のおん血すじのかた/″\をおしたいなされまして、まだこのほかにも蒲生ひだのかみどのゝおくがたにのぞみをかけていらしったと申します。
このおかたは総見院さまのおんむすめ御でいらっしゃいまして、小谷どのには姪御におなりなされ、やはりお顔だちが似ていらしったと申しますから、おおかたそれゆえでござりましたろうか。
わたくし、人づてにうかゞいましたのには、せんねん飛騨守どのがおかくれなされましたとき、殿下より御後室さまへお使いがござりまして、おぼしめしをつたえられましたけれども、御後室さまは一向おきゝいれがなく、かえっておなげきあそばしておぐしをおろされましたので、蒲生どのゝお家が宇都宮へおくにがえになりましたのは、そんなことから御前のしゅびをわるくなされたせいだと申します。