われ/\のようなにんげんでもそれほど人にたのまれましたら義をたてとおすことぐらいはこゝろえておりますのに、あのおかたは、たかい声では申されませぬが、権現さまの御いせいにへつらってとよとみ家のだいおんをおわすれなされ、おもてに忠義をよそおいながらかんとうがたに内通されていらしったのでござります。
いえ、いえ、それは、どなたがなんと申されましょうとも、そうにちがいござりませぬ。
理くつはつけようでござりますから、いちのかみどのゝ御苦心をおほめになるかたもござりましょうが、かりにも敵がたの大炮の役をひきうけられて、あろうことかあるまいことか、お主のわかぎみと北の方のいらっしゃるところへ玉をうちこむようなおかたが、なんで忠臣でござりましょうぞ。