いったい日本の歴史的人物の肖像畫は、男性を写す場合にはよく個性的特長を捉えて、その人となりを髣髴たらしめている傑作が多いが、女性の肖像畫は概して類型的で、或る一時代の理想とする美人の雛型を描いているに過ぎない。
今此の夫人の像を見るに、目鼻立ちの整然とした麗人には違いないけれども、此の時代に於ける他の大名の夫人の像と比較して、これと云う差別が認められない。
即ち此の像を、細川忠興夫人の像としても、別所長治夫人のそれとしても、見る者の印象にさしたる相違がありそうにも思われない。
いったい日本の歴史的人物の肖像畫は、男性を写す場合にはよく個性的特長を捉えて、その人となりを髣髴たらしめている傑作が多いが、女性の肖像畫は概して類型的で、或る一時代の理想とする美人の雛型を描いているに過ぎない。
今此の夫人の像を見るに、目鼻立ちの整然とした麗人には違いないけれども、此の時代に於ける他の大名の夫人の像と比較して、これと云う差別が認められない。
即ち此の像を、細川忠興夫人の像としても、別所長治夫人のそれとしても、見る者の印象にさしたる相違がありそうにも思われない。