仮りにも男に口を利くのが極まりの悪い年頃のせいか、それとも又、さっきからの素振と云い、今出し抜けに話しかけた様子と云い、何か知ら此の少年に普通でない所があるのを感じたのか、娘は矢張下を向いたまゝ、おず/\して、よんどころなく問いに答えると云う風であった。
「あの、女首と申しましたら、女の首ではないのでございます。
わたくし、よくは存じませぬけれども、合戦が忙しゅうございますと、敵を討ち取りましても、その首を提げて歩くことなど出来ないものでございますから、そう云う折に、鼻を斬り取って置きまして、それを證拠に、あとでその首を捜し出すのだそうでございます」