そうして自分が斬ったことを秘密にして、誰か外の者の名義で、それを首尾よくあの女の手へ廻すようにするのである。
但し戦陣の功名は、その場でそれを目撃していた證人を必要とするのであるが、此の場合の法師丸は、手柄を立てるのが目的でなく、たゞあの女が鼻の缺けた首を眺めてほゝえむ光景を見れば済むのである。
だから一番やさしい方法は、戦場にころがっている屍骸の中から、恰好な奴を見つけて、その首を斬り、贋の證人を拵えるか、雑兵どもを買収すればよい訳だけれども、それは法師丸の武士の良心が許さなかった。
そうして自分が斬ったことを秘密にして、誰か外の者の名義で、それを首尾よくあの女の手へ廻すようにするのである。
但し戦陣の功名は、その場でそれを目撃していた證人を必要とするのであるが、此の場合の法師丸は、手柄を立てるのが目的でなく、たゞあの女が鼻の缺けた首を眺めてほゝえむ光景を見れば済むのである。
だから一番やさしい方法は、戦場にころがっている屍骸の中から、恰好な奴を見つけて、その首を斬り、贋の證人を拵えるか、雑兵どもを買収すればよい訳だけれども、それは法師丸の武士の良心が許さなかった。