夜な/\彼が屋根裏へ通う折に青白い光を浴びせた月が、その晩も牡鹿山の頂の上にあって、少年の影をくっきりと地に印していた。
法師丸は、女が城を落ちて来たように思わせるために、被衣を頭へかざしていたが、そのうすものゝ影が真っ白な地上に海月の如くふわ/\するのを視つめながら歩いた。
敵の陣屋と云うのは、二た月に亙る城攻めのことでもあり、二萬騎にあまる大軍が屯していた場所であるから、それ相当の設備がしてあったに違いない。
夜な/\彼が屋根裏へ通う折に青白い光を浴びせた月が、その晩も牡鹿山の頂の上にあって、少年の影をくっきりと地に印していた。
法師丸は、女が城を落ちて来たように思わせるために、被衣を頭へかざしていたが、そのうすものゝ影が真っ白な地上に海月の如くふわ/\するのを視つめながら歩いた。
敵の陣屋と云うのは、二た月に亙る城攻めのことでもあり、二萬騎にあまる大軍が屯していた場所であるから、それ相当の設備がしてあったに違いない。