少年は、或る所では火を囲んでうずくまっている番兵の傍を通り抜けたり、或る所では望楼の真下の方へ、地上に帯の如く倒れているその影を利用して近寄って行ったりしたけれども、誰も見咎める者はなかった。
籠城方がもう本丸まで追い詰められた際であるから、恐らく物見の兵共も油断して寝ていたのであろう。
よしや二三の者が認めたとしても、近習の小姓か何かゞ月に浮かれてうろついているのだとでも思ったのであろう。
少年は、或る所では火を囲んでうずくまっている番兵の傍を通り抜けたり、或る所では望楼の真下の方へ、地上に帯の如く倒れているその影を利用して近寄って行ったりしたけれども、誰も見咎める者はなかった。
籠城方がもう本丸まで追い詰められた際であるから、恐らく物見の兵共も油断して寝ていたのであろう。
よしや二三の者が認めたとしても、近習の小姓か何かゞ月に浮かれてうろついているのだとでも思ったのであろう。