なぜなら、それこそ薬師寺弾正の定紋であって、その幕の中が寄手の大将の本陣に違いないからである。
少年は、幕をかゝげてつと陣小屋の羽目板に寄り添うと、暫く内部の人のけはいに耳を澄ましたが、何の物音も聞えて来ない。
建物のうしろへ廻ってみると、裏手が厩になっていて、大将の乗馬らしい五六頭の馬が繋いであり、今はそれらの馬さえも安らかに眠っているのである。
なぜなら、それこそ薬師寺弾正の定紋であって、その幕の中が寄手の大将の本陣に違いないからである。
少年は、幕をかゝげてつと陣小屋の羽目板に寄り添うと、暫く内部の人のけはいに耳を澄ましたが、何の物音も聞えて来ない。
建物のうしろへ廻ってみると、裏手が厩になっていて、大将の乗馬らしい五六頭の馬が繋いであり、今はそれらの馬さえも安らかに眠っているのである。