成るほど此の男は一廉の大名らしい品格と貫禄とを備えているけれども、何だか優男じみていて、二萬の大軍に号令する武門の棟梁の威風がない。
彼の想像する敵の総大将は、父武蔵守輝国や牡鹿山の一閑斎などに共通して認められる、鍛えた鉄のような筋骨と、盛んな征服慾に燃えた勇猛な顔だちとを持っていなければならなかった。
それがこんな弱々しい人柄では、すぐにも討ち取れそうに思えて、少し張り合いのない気がする。
成るほど此の男は一廉の大名らしい品格と貫禄とを備えているけれども、何だか優男じみていて、二萬の大軍に号令する武門の棟梁の威風がない。
彼の想像する敵の総大将は、父武蔵守輝国や牡鹿山の一閑斎などに共通して認められる、鍛えた鉄のような筋骨と、盛んな征服慾に燃えた勇猛な顔だちとを持っていなければならなかった。
それがこんな弱々しい人柄では、すぐにも討ち取れそうに思えて、少し張り合いのない気がする。