自分の手に照明があると、自分の姿が却って人に見えにくゝなる。
―――少年は賢くもその理を悟って、火を眼つぶしに使ったのであった。
そして首尾よく構えの外へ脱出すると、すぐその場で松明を捨て、五六丁走った後に被衣を被って、見渡すかぎり渺茫とした月明の中へ溶け込んで行った。
自分の手に照明があると、自分の姿が却って人に見えにくゝなる。
―――少年は賢くもその理を悟って、火を眼つぶしに使ったのであった。
そして首尾よく構えの外へ脱出すると、すぐその場で松明を捨て、五六丁走った後に被衣を被って、見渡すかぎり渺茫とした月明の中へ溶け込んで行った。