彼はとき/″\人のいないのを見定めては懐から例の肉片を取り出して私かに空想に耽っていた。
彼の脳裡には、鼻を斬った刹那の屍骸の顔がはっきり印象されていて、それが、その肉片を取り出すたびに一層あざやかに想い出されるのであったが、それにつけても、あゝ、あの首がありさえしたらと思うと、いっそもう一度盗みに行きたくなるのだった。
何しろ総大将の屍骸であるから、あれは今もあの陣営の奥の間に、鄭重に安置されていることだろう。
彼はとき/″\人のいないのを見定めては懐から例の肉片を取り出して私かに空想に耽っていた。
彼の脳裡には、鼻を斬った刹那の屍骸の顔がはっきり印象されていて、それが、その肉片を取り出すたびに一層あざやかに想い出されるのであったが、それにつけても、あゝ、あの首がありさえしたらと思うと、いっそもう一度盗みに行きたくなるのだった。
何しろ総大将の屍骸であるから、あれは今もあの陣営の奥の間に、鄭重に安置されていることだろう。