だから河内介輝勝も、一時は全くあの浅ましい享楽から遠ざかって、ひたすら戦場に驍名を馳せるより外には何の望みもなかったことゝ解釈していゝ。
しかしながら彼のために不幸なことには、一旦癒えていた彼の忌わしい性癖に油を注ぐ一人の女性が茲に登場して来るのである。
筑摩織部正則重の正室桔梗の方と云うのは、牡鹿山の城攻めの後に「病死」をした薬師寺弾正政高の女で、則重の許へ輿入れをしたのは城攻めの翌々年にあたる天文二十年、彼女が十六歳の時だったと云うから、則重より一つ歳下、輝勝より一つ歳上であった。
だから河内介輝勝も、一時は全くあの浅ましい享楽から遠ざかって、ひたすら戦場に驍名を馳せるより外には何の望みもなかったことゝ解釈していゝ。
しかしながら彼のために不幸なことには、一旦癒えていた彼の忌わしい性癖に油を注ぐ一人の女性が茲に登場して来るのである。
筑摩織部正則重の正室桔梗の方と云うのは、牡鹿山の城攻めの後に「病死」をした薬師寺弾正政高の女で、則重の許へ輿入れをしたのは城攻めの翌々年にあたる天文二十年、彼女が十六歳の時だったと云うから、則重より一つ歳下、輝勝より一つ歳上であった。