少くとも彼の鼻の頭には、線香花火でやけどした程の火ぶくれが出来て、甘皮の破れた皮膚の下からほんの僅かばかり血が滲んだ。
馬前にいた河内介は咄嗟に大将の身を庇い、則重を森の中へ避難させて、屹と戦場を見渡したが、狙撃された則重の驚きもさることながら、此の瞬間に、河内介の胸の中にも或るぼんやりした不安の雲が湧いたのであった。
事実、則重の驚いたのは自分の命が狙われたと思ったからであるけれども、河内介には、それがどうもそうでないらしく感じられた。
少くとも彼の鼻の頭には、線香花火でやけどした程の火ぶくれが出来て、甘皮の破れた皮膚の下からほんの僅かばかり血が滲んだ。
馬前にいた河内介は咄嗟に大将の身を庇い、則重を森の中へ避難させて、屹と戦場を見渡したが、狙撃された則重の驚きもさることながら、此の瞬間に、河内介の胸の中にも或るぼんやりした不安の雲が湧いたのであった。
事実、則重の驚いたのは自分の命が狙われたと思ったからであるけれども、河内介には、それがどうもそうでないらしく感じられた。