云うより先に河内介の槍の穂先が「龍」の字の方へ飛んで行った。
河内介の目算は此の怪しい武士に深手を与え、進退の自由を奪った上で生け捕りにすることにあった。
敵は最初、少年と見て侮ってかゝったらしかったが、鎗の穂先が数十匹の蝗の飛ぶように敏捷に、寸刻の隙間もなく迫って来るので、三四合すると早くも斬り立てられて、下算の揺ぎ絲の上からぐさと太股を突き刺された。
云うより先に河内介の槍の穂先が「龍」の字の方へ飛んで行った。
河内介の目算は此の怪しい武士に深手を与え、進退の自由を奪った上で生け捕りにすることにあった。
敵は最初、少年と見て侮ってかゝったらしかったが、鎗の穂先が数十匹の蝗の飛ぶように敏捷に、寸刻の隙間もなく迫って来るので、三四合すると早くも斬り立てられて、下算の揺ぎ絲の上からぐさと太股を突き刺された。