河内介は、誰か続く味方はないかとその辺を見廻したけれども、眼に入るものは夥しい土煙と、その煙の向うに怒濤の如く寄せては崩れる集団の影ばかりであった。
組み敷かれた武士はその間に傷いた手で河内介の上帯をしっかと捉え、左手に小刀を抜き放って所嫌わず突きにかゝった。
もはや此の場合、一人と一人では生捕りにする餘裕はない。
河内介は、誰か続く味方はないかとその辺を見廻したけれども、眼に入るものは夥しい土煙と、その煙の向うに怒濤の如く寄せては崩れる集団の影ばかりであった。
組み敷かれた武士はその間に傷いた手で河内介の上帯をしっかと捉え、左手に小刀を抜き放って所嫌わず突きにかゝった。
もはや此の場合、一人と一人では生捕りにする餘裕はない。