此の者世に聞えたる鉄炮の上手なりければかねてより桔梗の方の命をふくみ、月形城謀叛の時わざと主家を浪人いたし上方より馳せ下りて横輪豊前が手に属したりと覚え候。
然者先年一閑斎を狙ひ候は此の者の所為なること必定に候。
かの砌此の者の首は戦場に打棄て、観音の厨子と文ばかりを人知れず懐に入れて帰陣致し候間、桔梗の方逆心のことは誰一人も悟らず候。
此の者世に聞えたる鉄炮の上手なりければかねてより桔梗の方の命をふくみ、月形城謀叛の時わざと主家を浪人いたし上方より馳せ下りて横輪豊前が手に属したりと覚え候。
然者先年一閑斎を狙ひ候は此の者の所為なること必定に候。
かの砌此の者の首は戦場に打棄て、観音の厨子と文ばかりを人知れず懐に入れて帰陣致し候間、桔梗の方逆心のことは誰一人も悟らず候。