図書どのは唯今のお文を、此のお厨子に添えて肌身につけておられました。
以来私は、及ばずながら図書殿の志を継ぎましたしるしに、片時も放さず所持しているのでござります」
彼が夢中でしゃべりつゞけながら、袋の口を開けて厨子を取り出そうとするのを見ると、夫人は
図書どのは唯今のお文を、此のお厨子に添えて肌身につけておられました。
以来私は、及ばずながら図書殿の志を継ぎましたしるしに、片時も放さず所持しているのでござります」
彼が夢中でしゃべりつゞけながら、袋の口を開けて厨子を取り出そうとするのを見ると、夫人は