骨になってしまえば馬も義朝も大した変りはないように、鼻のかけらだけでは大将とも雑兵とも見分けはつかなかった筈である。
いや、おまけにそれが朱漬けになっていたのだから、実を云うと鼻でなくとも、何かそれらしい形をした、へな/\した断片でさえあればよかったのである。
要するに彼が持って来た壺の中味は詮議するだけ野暮であるが、「これこそ親御さんの形見です」と云って出されゝば、頼朝程の英傑でさえつい欺されてその手に載るのが人情である。
骨になってしまえば馬も義朝も大した変りはないように、鼻のかけらだけでは大将とも雑兵とも見分けはつかなかった筈である。
いや、おまけにそれが朱漬けになっていたのだから、実を云うと鼻でなくとも、何かそれらしい形をした、へな/\した断片でさえあればよかったのである。
要するに彼が持って来た壺の中味は詮議するだけ野暮であるが、「これこそ親御さんの形見です」と云って出されゝば、頼朝程の英傑でさえつい欺されてその手に載るのが人情である。