それにしん/\と更けた深夜、戸外にはおり/\雨がざあッと音を立てゝ降る。
………そう云う室内の異様な感じは、蓋しあの屋根裏の首装束の光景に劣らないものがあったであろう。
桔梗の方が二三首書いて差し出したあとで、今度は織部正が、頭をひねりつゝ漸く一首をまとめ上げて日頃の上達の程を示し、夫婦が互の出来栄えを褒め合ったりして、先ずはその夜の遊興もみやびやかに終りを告げてから、程なく二人が臥戸へ引き取ったのは亥の刻を過ぎていた。
それにしん/\と更けた深夜、戸外にはおり/\雨がざあッと音を立てゝ降る。
………そう云う室内の異様な感じは、蓋しあの屋根裏の首装束の光景に劣らないものがあったであろう。
桔梗の方が二三首書いて差し出したあとで、今度は織部正が、頭をひねりつゝ漸く一首をまとめ上げて日頃の上達の程を示し、夫婦が互の出来栄えを褒め合ったりして、先ずはその夜の遊興もみやびやかに終りを告げてから、程なく二人が臥戸へ引き取ったのは亥の刻を過ぎていた。