しかし仰っしゃることが一層微かで聴き取りにくゝなり、声音も多少変っているので、換え玉ではないかと云う疑いを抱く者があり、自然不吉な臆測を廻らす者も出来て来ると云う始末。
そうなると河内介も、自分の手術の結果について不安を感ぜずにはいられなかった。
あれだけ血止め薬を塗って、豫後の手当をして来たのだから、まさかとは思うものゝ、幹部級の五六人と側近者の二三人が真相を握っているのみで、家中一般の人々は誰も殿様の確かに生きている證拠に接しないのである。
しかし仰っしゃることが一層微かで聴き取りにくゝなり、声音も多少変っているので、換え玉ではないかと云う疑いを抱く者があり、自然不吉な臆測を廻らす者も出来て来ると云う始末。
そうなると河内介も、自分の手術の結果について不安を感ぜずにはいられなかった。
あれだけ血止め薬を塗って、豫後の手当をして来たのだから、まさかとは思うものゝ、幹部級の五六人と側近者の二三人が真相を握っているのみで、家中一般の人々は誰も殿様の確かに生きている證拠に接しないのである。