花散る里をたづねてぞ訪ふ
に基いたもので、僅かに下の四字を置き換えたゞけである。
源氏の場合は、「まづ女御の御方にてむかしのおんものがたりなどきこえたまふに夜更けにけり、二十日の月さしいづるほどにいとゞ木高きかけどもこぐらうみえわたりて、近きたちばなの薫りなつかしくにほひて、女御のおんけはひねびにたれどあくまで用意あり、あてにらうたげなり、すぐれて華やかなるおんおぼえこそなかりしか、むつまじうなつかしきかたにはおぼしたりしものをなど、おもひいで聞えたまふにつけても」とあって、光源氏が麗景殿の女御の許を訪れて昔語りをするところで此の歌を詠む。