されど用心きびしきことなれば中々忍び寄るだに覚束なく存候ところ、程経て次第に警備弛みて候得者そのゝちは心安くかの御許へ通ひ候、然者これは去年の秋より実に一年後のこと也、かの砌それがし書残し候通り絶えて異変なかりしかば老臣共漸く疑ひを晴らしたりと覚え候
だが、疑いを晴らした老臣共も、何故に曲者が殿様の鼻を狙ったのか、その理由だけは最後まで呑み込めなかったのである。
武州公秘話巻之五
されど用心きびしきことなれば中々忍び寄るだに覚束なく存候ところ、程経て次第に警備弛みて候得者そのゝちは心安くかの御許へ通ひ候、然者これは去年の秋より実に一年後のこと也、かの砌それがし書残し候通り絶えて異変なかりしかば老臣共漸く疑ひを晴らしたりと覚え候
だが、疑いを晴らした老臣共も、何故に曲者が殿様の鼻を狙ったのか、その理由だけは最後まで呑み込めなかったのである。
武州公秘話巻之五