公の局外中立と云うのは甚だ眉唾物であって、蔭で檜垣衆の尻押しをしていたらしいことは、大体間違いがないのである。
公は檜垣衆から加勢を申し込まれても、最初の一二回は、矢張板挟みの苦衷を訴えて婉曲に拒否する風を装ったが、その後も頻々と求援の使者が来るに及び、遂に仮面をかなぐり捨てゝ、決然として一向宗徒に加担する態度を明かにした。
「自分は今日まで一閑斎の恩義に感じて檜垣衆の乞いを斥けて来たけれども、しかし昨今の筑摩家の無為無能には愛憎が盡きた。
公の局外中立と云うのは甚だ眉唾物であって、蔭で檜垣衆の尻押しをしていたらしいことは、大体間違いがないのである。
公は檜垣衆から加勢を申し込まれても、最初の一二回は、矢張板挟みの苦衷を訴えて婉曲に拒否する風を装ったが、その後も頻々と求援の使者が来るに及び、遂に仮面をかなぐり捨てゝ、決然として一向宗徒に加担する態度を明かにした。
「自分は今日まで一閑斎の恩義に感じて檜垣衆の乞いを斥けて来たけれども、しかし昨今の筑摩家の無為無能には愛憎が盡きた。