と、自分の首をさし伸べて、手で斬る真似をしてみせた。
それで斯う「最後の頼みだから介錯してくれ、某の首を誰にも見せずに葬むってくれ」と云っているらしいのが分ったのであったが、此の時既に火は三人の傍近くまで燃えひろがって、方々の隙間から風が呻りをたてながら凄じい焔を挙げていた。
まことに此の時、桔梗の方も、則重も、武州公も、不思議な悪因縁に繋がれたまゝ業火の渦に捲き込まれてしまったら、三人ながら却って幸福であったかも知れない。
と、自分の首をさし伸べて、手で斬る真似をしてみせた。
それで斯う「最後の頼みだから介錯してくれ、某の首を誰にも見せずに葬むってくれ」と云っているらしいのが分ったのであったが、此の時既に火は三人の傍近くまで燃えひろがって、方々の隙間から風が呻りをたてながら凄じい焔を挙げていた。
まことに此の時、桔梗の方も、則重も、武州公も、不思議な悪因縁に繋がれたまゝ業火の渦に捲き込まれてしまったら、三人ながら却って幸福であったかも知れない。