それにまた、学科の方はたいがい専門の先生たちに任しきりにしてめったに教室見廻ることやかいあれしませんのんに、その時間に限ってわざわざやって来られて、わたしの絵エ何や彼んやといいなさるのんですねん。
「へえ、そうですかなあ、あんたはこの絵エこのモデルに似てるつもりなんですか」と、皮肉な口調でいわれましたもんですさかい、こっちも空惚けてやりまして、「はい、わたし絵エは下手ですから、似てえへんかも分れしませんけど、でも自分では一所懸命モデルの通りに写しましたつもりです」いいますと、「いや、あんたは下手ではありません。
なかなか上手に画けてます。