しかし光子さんの方が一、二寸せえ高いでしたし、それに綺麗な人いうもんは、自分では器量鼻にかけへんつもりでも、やっぱり何とのう自信のある様子態度に現われるもんですやろか、それともこっちに引け目ありますとそない見えますのんですやろか、その後親しいになりましてからでも、歳からいうとわたしの方が姉さんでありながら、いつでも妹みたいな気イしてましてん。
で、その時分、――といいますのんは、話前に戻りまして、まだお互いにものもいわんといてました時分、前にいいましたようなけったいな噂立ちましたことは光子さんの耳いも這入ってえへんはずあれしませんのんに、光子さんの様子はちょっとも前と変れしませんねん。
わたしの方では疾うから綺麗な人や思て、噂立ちません時分には、光子さんが通りなさると、それとのう傍い寄って行ったりしましてんけど、光子さんの方ではてんと私やかい眼中にないような塩梅で、すうッと通ってしまいはりますが、その通られた跡の空気までが綺麗なような気イするのんです。