いえ、話なんかせえでも構めしません、黙って光子さんの顔さい見てられたら、――自分がその人のそばにいるいうことだけで、限りない幸福が胸一杯になるのんです。
「なあ光子さん、今電話がかかってなあ、うちの人帰って来るそうやねんけど、あんたどないする?
「えー、どうしょう――」と、光子さんは慌てて着物着ながら、――もう夕方の五時時分でしたが、その時まで二、三時間もシーツ一つでいなさったのんです。
いえ、話なんかせえでも構めしません、黙って光子さんの顔さい見てられたら、――自分がその人のそばにいるいうことだけで、限りない幸福が胸一杯になるのんです。
「なあ光子さん、今電話がかかってなあ、うちの人帰って来るそうやねんけど、あんたどないする?
「えー、どうしょう――」と、光子さんは慌てて着物着ながら、――もう夕方の五時時分でしたが、その時まで二、三時間もシーツ一つでいなさったのんです。