あんたみたいな人欺すぐらいじッきやわ、と、嘲弄するようになって、しまいにはそれが面白うて何ぞいうとすぐ泣いたり怒鳴ったりして、自分ながら末恐ろしいなるほど芝居するのんが上手になってしもて、……先生なんかこんなことよう分っておられますやろけど、ほんまに人間の心理いうもん境遇によってえらいえらい変りようするもんですなあ。
前でしたら時に依ってははっと思て、ああ、こんな事するのんやなかったと、後悔する気イになりましたのんに、今では反抗的に、なんじゃ意気地のない、これぐらいのこと恐がってどないすると、自分で自分の臆病あざわらうようになるなんて、……それに、夫に内証で外の男愛したら悪いやろけど、女が女恋いするねんよってかめへん。
同性の間でなんぼ親しなったかて夫がそれとやかくいう権利あれへんと、いつもそんな理窟つけて自分の心欺いてました。