その実わたしの光子さんを思う程度は、前の人思うたのより十倍も二十倍も、……百倍も二百倍も熱烈やったのんですけど、……
わたしがそない大胆になったもう一つの理由は、夫は学生時代からそれはもうお話にならんキチン屋のガリガリ屋で、それを父から見込まれましたくらいやのんですから、ほんまに常識一点張りの、ちょっとでも変ったことや普通のことと違てることは分らん人やのんで、わたしと光子さんとの間柄なんぞも、なかなか感づかんやろう、やっぱりただの仲好しや思てるやろうと、たかくくってましたのんです。
初めは夫もそんなことあるやろうとは夢にも想像してませんでしたが、そのうちにだんだん、なんやけったいやなあ思うようになりましたのんですやろ。