わたしがそない大胆になったもう一つの理由は、夫は学生時代からそれはもうお話にならんキチン屋のガリガリ屋で、それを父から見込まれましたくらいやのんですから、ほんまに常識一点張りの、ちょっとでも変ったことや普通のことと違てることは分らん人やのんで、わたしと光子さんとの間柄なんぞも、なかなか感づかんやろう、やっぱりただの仲好しや思てるやろうと、たかくくってましたのんです。
初めは夫もそんなことあるやろうとは夢にも想像してませんでしたが、そのうちにだんだん、なんやけったいやなあ思うようになりましたのんですやろ。
そらそのはずで、前には学校の帰りがけに事務所い寄って夫誘いましたのんに、近頃ではひとりで先い帰ってしまう。