電話かけると今日は京都の親類い行きなさったいわれましたのんで、なおのこと会いとう思うにつけても昨夜の喧嘩のこと胸一杯に込み上げて来て、夢中で手紙書いてしもたんですが、出してしもてから、あんなこと書いて光子さんどない思うかしらん?
姉ちゃんのハズさんに済まんさかいあて遠慮しようなあいい出しなされへんか思て、急にまた気がかりになりました。
ところがその明くる日、運動場のプラタナスの蔭に待ってますと、人目も構わんと「姉ちゃん」いいながら駈けて来なさって、「あて今朝あの手紙読んでなあ、姉ちゃんの顔見るまでは心配で心配で、……」と、両手で肩にぶら下るようにしなさって、下からじっと私を見上げて、涙をためてなさるのんです。