――尤も夫は人の手紙を偸み読みするような人間と違いますよって、それは安心してましたけど、そいでも前には読んでしもたら急いで箪笥の抽出しい入れて鍵かけといたんですのんに。
そないにして、夫の方もいずれまた一と波瀾持ち上ること分ってましたが、さしあたり前より都合ようなったくらいですよって、私はますますのぼせてしもて、情熱の奴隷となってしもたのんですが、その最中に、私に取ってまるきり寝耳に水の事が、――もうもうほんまに、夢にも思いがけなんだ事起ったのんです。
それいうのんがちょうど六月の三日のことでした。