それがイヤやったら結婚せえへん」と、いつでも光子さんはそないいうてるいいまして、「そら光子さんの奥様に対する気持いうたら、全く真剣でしてなあ」いうたりして、大馬鹿にしてる思いましてんけど、その男のいいよういうたら実際上手で、五分の隙もないようなんです。
そんで男は自分と光子さんとの関係をいつまでも私に隠しとくのんはええことない思て、自分も諒解してるねんよって私にも諒解してもらうよう光子さんに話してたのんですが、光子さんかって勿論その方がええこと分ってながら、今更私の顔見ると切り出しにくうなって「折があったら折があったら」思てるうちに、とうとう今夜のようなこと出来てしもた。
そうしてさっきの電話では盗難に遇うたようにいうたけど、実はただの盗難ではない。