すると男は「ああ」とさもさも感激の籠ったような芝居じみた声出して、もう一ぺん頭擦りつけて、「ああ、承知して下さいますか、ほんまに有がとございます、これで僕も安心です」いうて、それから人の顔色窺うように、「そしたら唯今ここい光子さん呼びますけど、それについても一つお願いして置きたいのんは、今夜のとこはいろいろのことでえらい興奮してはりますのんで、どうぞなんにもいわんといて欲しいんですが、どうですか、それ誓てくれはりますか?
いうのんです。
仕方ないのでそれもよろしいですいいますと、直ぐに「光子さん」と呼んで、「もう分ってくれはりましたよって出て来なさい」と襖越しに声かけました。