すると男が「ふん、そんなら国道の業平橋のとこで降りたらよろしいがな」と、同じように光子さんの顔見返しながらそういい出したいうのんは、私にはよう分ってるのんですが、あの橋の所から阪急の線まで出る路がまたえらい淋しいて、片ッぽ側が大きな松のたあんと生えてる土手ですよって、あんな所女三人で歩けるはずあれしません。
そんで綿貫はちょっとでも長いこと光子さんと一緒にいてたいのんで、自動車降りてからあの路を送って来たいのです。
それにしても「船場の徳光さんの近所におります」いうてたのんにそんな橋の名アやあの辺の路知ってるいうのんは、もう今までに何遍も二人で此処ら辺散歩したことがあるからなんです。