いうて手のひらで涙拭いてくれて、なだめたり、すかしたりしてくれますので、なお悲しゅうなって、あーあ、やっぱり夫は有難い、自分は罰中ったんや、もうもうあんな人のこと思い切って、一生この人の愛に縋ろう、――と、一途に後悔の念湧いて、「うち今夜のことみんないうてしまうさかい、きっと堪忍しとくなはれなあ」と、とうど夫に今までのことすっかり話してしまいました。
その十二
私はすっかり心入れかえた気イになって、明くる朝は夫より二時間も早起きて、台所い出て行って朝御飯の用意したり、夫の洋服ちゃんとしといたり、いつもほったらかしたまま女子衆まかせにしときますのんを、自分が先い立ってせっせと働きました。