「うちこのごろ朝から晩まであんたのことばっかり思い詰めてて、ほかの事なんにも考エへんようにしてんねよって、あんたかってきっとそうしててくれるわなあ」と、私はぎゅッと頸のまわりに抱きついて、「うちの心にちょっとの隙も出来んように、いッつも、いッつも、可愛がりつづけに可愛がってくれなイヤやわ」と、今では夫の愛情だけがたった一つの頼りでした。
「もっと可愛がって、もっと可愛がって……」と、私のいうのんはそればっかりでした。
或る晩なんぞは、「まだ愛しかたが足らん」いうて、気違いみたいに興奮しましたのんで、「お前は極端から極端やなあ」と、夫はなだめるようにいうて、私のあんまりな上せかたに今度はかいって面喰てるぐらいでした。