或る晩なんぞは、「まだ愛しかたが足らん」いうて、気違いみたいに興奮しましたのんで、「お前は極端から極端やなあ」と、夫はなだめるようにいうて、私のあんまりな上せかたに今度はかいって面喰てるぐらいでした。
もしもその時分にひょっこりあの人が訪ねて来たら、否でも応でも物いわんならんようなハメになるよって、それが何より気がかりやったんですけど、なんぼ厚かましいいうてもさすがよう寄り附かんかして、ええあんばいにあんなり何もいうて来えしません。
私は心のうちに神様や仏様祈って、結局運命がそんな工合になったのんを有難いことや思いました。