万一会うて下さらんと、病院はこの事件について奥様の方いどんな迷惑がかかっても一切責任負うこと出来んいうのんです。
私はそれも光子さんや綿貫の仕組んだ計略で、なんぞまた人欺すのんやないかと半信半疑でしたけど、何せその時分は堕胎事件がやかましいて、何々博士が掴まえられた、何々病院がやられたと、ようそんな記事が新聞に出ましてん。
そんで前にもいうたようにその本の中には薬剤に依る方法やら、器具に依る方法やら、法律に触れるようなことまでたあんと書いたあるのんでして、中川の奥様いう人は何ぞへまなことしてえらい間違い引き起して、しろとの手エで収まり付かんようなったんで病院い担ぎ込まれたん違うやろかと、想像されるのんです。