私は応急の手あてだけしときます」いうて体よう逃げてしもたのんで、SK病院やったら院長さん知ってるからどないなとしてくれはるやろ思て、今朝になってから出かけて行って診察してもろたら、そこでも同じこというてなかなか聴いてくれはれへん。
なんでもそこの院長さんいうのんは今の病院建てる時に徳光さんのお父さんからお金出してもらやはったんやそうで、光子さんとお梅どんとで手エ合わすようにして頼むと、「弱りましたなあ、弱りましたなあ」いうて、「前やったらこんなぐらいのことは何処の医者でも引き受けたのんですが、御承知の通りこの頃は世間がやかましいのんで迂濶なことすると私一人やない、お宅の不名誉になるような事起らんとも限らんのんで、そうなったらお父様に対して申訳ありません。
それにしても何で今まで放っといたんです、こないならんうちやったら、――せめて一と月も前やったらどないなとしたげたのに」いうのんですけど、そないしてるあいだも時々お腹痛なって出血するのんで、ここで何ぞの事でもあったら病院に嫌疑がかかりますし、そうかて苦しんでるもんを黙って見てるいう訳に行かんし、「いったい誰に教せてもろてどんな薬飲んだんかいうて下さい。